西東京市をはじめ全国の皆さまから数多くの作品(応募総数84作品)が寄せられました。
その作品を9月1日(日)に漫画家クロマツテツロウ氏、切絵作家小出蒐氏による選考委員会にて厳正な審査を行い入賞4名、入選20名を選出いたしました。
「田無神社絵馬の奉製」
入賞者4名の作品を平成31年田無神社絵馬デザインとして採用し、お正月の前後に絵馬として奉製(4体合計3200体奉製予定)いたします。
10月7日(日)13時から10月12日(金)17時までの間、アスタ2階「センターコート」にて田無神社絵馬デザインコンテスト入賞作品ならびに入選作品の展示会を開催いたします。
※田無ASTA(アスタ)へのアクセスはこちらをご確認ください。
漫画家
クロマツテツロウ氏
奈良県出身 東京都在住。
2006年「近代麻雀」より『マイケル・ヒロタ」でデビュー。以降、「月刊少年チャンピオン」より『野球部に花束を』、「ヤングマガジン」より『ヤキュガミ』を発表。書籍『野球部あるある』『野球部あるある2』『野球部あるある3』では、一コマ漫画を手掛がけている。
昨年のテーマが犬だったので家族との関わりも書きやすかったかもしれません。今回はそれとは違うイノシシをテーマとしたイラスト風の物、全く新しいキャラクターもありました。そういった意味では毎年テーマによって新しい作風の物が出てくる楽しみがあるように感じました。
前回はPCで作られた作品が多いと感じましたが、今回はアナログな作品が多くありました。PCだと色がきれいに出るため色彩がはっきりと出ますが、手書きだと色がくすんだりする面白さがありました。手書きながら全体的に明るい作品が多かったと思います。
他方、テーマの太陽に引っ張られているようにも感じました。「赤くて丸い太陽」が描かれた作品が多く、山があるとどうしても同じようなデザインに見えがちなので、もう少し干支が主役になるといいと思います。干支との関わりで何かストーリーを描いてもいいと思います。来年はネズミなのでネズミと餅とかでも面白いですね。絵を描くのも応募用紙だけではなく画用紙を同じ大きさにして作品にしてもいいし、画材も様々なものを使ってみてほしいです。そして絶対にミッキーマウスは書かないでほしい(笑)。今年も素晴らしい作品が多く出てきました。絵が好きな人がこんなに多いのだと感じ、楽しく審査させてもらえました。また作品から作者の年齢が想像できないものが多く興味深く感じました。もっといろんな技法や画材を使って楽しんでほしいと思います。
大賞の作品については、太陽を描くと山を描きたくなる、山となれば富士山を描くことが多くなり、同じような構図になってしまいがちですが、この作品は人が朝日を見ながら山に登っているが、よく見ると、実はその山がイノシシだったというように自分自身では解釈しました。そういった創造を掻き立てる面白さがあります。
切り絵作家
小出 蒐氏
西東京在住の切り絵作家。
妖艶さを帯びた凛とした女性像の切り絵を得意とする。著書〜作品集 琥珀艶の光と影、平家物語絵巻の制作中 等 朝日新聞のカレンダー(西東京市内の名所旧跡など)日本で初の切り絵によるアニメ制作〜放映(日本の昔ばなし)個展〜ニューヨーク日本ギャラリー、東京芸術劇場など多数
昨年は犬という身近な動物がテーマだったので、動物とのふれあいや家族とのかかわりなど描きやすかったのでしょう。今年はイノシシがテーマなので、どちらかというと野獣で、身近ではないものですから家族との関わりを描くことは難しかったかもしれません。
また、全体的におとなしい作品が多かったと思いました。色鉛筆で描かれた作品が多かったため色彩が淡いものが多かったようです。もっと絵の具を使うとか油絵の具や墨などの画材を使うとか切絵にするとか様々な技法を使って自由に描いてほしいと思います。例えば木の皮をはがしてイノシシに見立てて使うのも面白いですね。そうすることで独創性が出てくるように感じます。テーマのイノシシが描きにくかったと思ますが、優秀賞の作品のように、今までなかったような構図や色彩などに挑戦してもらいたい。
太陽の書き方がポイントと昨年言いましたが、どうしても太陽ばかりが目立ってしまうことになりますので、もう少し干支にスポットを当ててほしいです。イノシシに限らず、既存のデザインに知らないうちに影響を受けてしまうので全くのオリジナルは難しいかもしれませんが、なるべく見たことのないデザインを目指していただきたいと思います。
大賞の作品は、非常にインパクトがあり、すぐ目に留まりました。最初からこれはいいなと思ってみていました。絵馬にしても映えると思いました。
金賞 小出蒐賞については、イノシシの猪突猛進の荒々しいイメージではなく、イノシシの家族という描き方で柔らかく捉えている点が素晴らしいと感じます。単調になりがちな構図を配色の工夫で流れに沿って動きを足しながら上手に表現されています。
優秀賞の作品は、非常に楽しい絵で子供らしいのびのびとした作品です。色もカラフルで子供ならではの自由な発想で描かれている元気な作品です。
全国から集まった多くの応募作品のなかから
選ばれた力作をご覧ください。