西東京市をはじめ、全国の皆さまから多数のご応募(応募総数177作品)をいただきました。
これらの作品は、9月18日(金)に開催された選考委員会において厳正な審査を行い、漫画家・クロマツテツロウ氏、切絵作家・小出蒐氏、ジェイコム東京
西東京局・中山純也局長により、入賞4名、入選27名が選出されました。
「田無神社絵馬の奉製」
入賞者4名の作品を令和9年(2027年)田無神社絵馬デザインとして採用し、お正月の前後に絵馬として奉製いたします。
令和8年(2026年)10月5日(月)13時から10月9日(金)16時までの間、アスタ2階「センターコート」にて田無神社絵馬デザインコンテスト入賞作品ならびに入選作品の展示会を開催いたします。
※田無ASTA(アスタ)へのアクセスはこちらをご確認ください。
漫画家
クロマツテツロウ 氏
奈良県出身。東京を拠点に漫画家として活動。
現在は「グランドジャンプ」(集英社)にて『ドラフトキング』、
「ゲッサン」(小学館)にて『ベー革』を連載中。
他作品には、 『山本昌はまだ野球を知らない』、『野球部に花束を』、
『ヤキュガミ』、書籍『野球部あるある』などがある。
「太陽と羊」というテーマについて
今回のテーマでは、羊特有の毛量や質感をどのように表現するのかを楽しみにしていました。
実際の応募作品を見ると、羊の角を豪快に描いた作品もあり、それぞれの作者によって表現方法が異なり、まさに十人十色でした。
どのような構図で羊を表現するのか、また、どのようなタッチで描くのかという点にも注目して審査しました。それぞれに個性があり、楽しみながら作品を見ることができました。
大賞
大賞作品は、ほかの作品と比べても飛び抜けた完成度を持っていると感じました。
作者には高いデッサン力とデザイン力があり、羊の力強さがしっかりと表現されています。その一方で、細かな部分まで丁寧に描き込まれており、非常に繊細な工夫も感じられます。
デザインも細部まで考え抜かれており、タッチにも技術の高さがあります。また、色使いも優れており、作品全体として非常に高いレベルに仕上がっています。
金賞(クロマツテツロウ賞)
羊という動物をどのように捉えるかという点で、大賞作品が力強さを前面に出した作品であるのに対し、この作品では、羊の柔らかさや温かみが表現されていました。
どこかアニメーション作品を思わせるような物語性のある表現も印象的でした。また、着物の中に太陽を取り入れるなど、一歩先を行く発想も感じられます。
構図も非常に魅力的で、羊の顔が直接見えていないにもかかわらず、その存在感がしっかりと伝わってきます。とても素敵な作品だと思います。
J:COM賞
子どもならではの優れた色彩感覚が、よく表れている作品だと感じました。
自由度の高い表現と豊かな発想が存分に発揮されており、羊の毛の中を虹が通っている表現からは、見ているこちらまで幸せな気持ちになります。既成概念にとらわれない、子どもらしい自由な感性が魅力の作品です。
総評
今回の「羊」は、非常に難しいテーマだったと思います。
羊は形が比較的シンプルであるため、描き方によっては平坦な印象の作品になりやすく、毛の質感をはじめとしたタッチの表現にも難しさがあります。そのため、応募者の皆さんがどのような絵柄で表現してくるのか、審査前から楽しみにしていました。
今回はアニメーション的な表現の作品も多く、そうした新しい表現を見ることができたことを嬉しく思います。一方で、デジタルで制作された作品も多くなってきているため、手描きならではの作品も、さらに見てみたいと感じました。
全体としては、画力、構成力ともに年々レベルが上がっており、今回も大変楽しませていただきました。
来年のテーマ「猿と太陽」に向けて
猿は比較的描きやすい動物だと思いますので、今からどのような面白い作品に出会えるのか、とても楽しみにしています。
猿は人間と非常に近い存在として捉えられがちですが、あえて人間との関係から切り離し、猿そのものを自由に、面白く表現する作品があってもよいと思います。
また、「太陽と猿」という関係性から一つの物語を考え、その一場面を切り取って表現したり、背景や風景を取り入れたりすることによって、さらに広がりのある作品になるのではないでしょうか。さまざまな発想による作品を期待しています。
切り絵作家
小出 蒐 氏
妖艶さを帯びた女性から、歴史の場面を切り抜く迫力ある切り絵を信条としている等、その表現は卓越している。
著書に琥珀艶の光と影・日本の風俗美、平家物語絵巻。朝日新聞市内版カレンダー、多摩六都切手、日本の昔ばなし等活動多彩。
他に、個展/東京芸術劇場、NY日本ギャラリー、切り絵の森美術館等多数。
フランス芸術協会展ル・サロン連続入選。
「太陽と羊」というテーマについて
羊は柔らかさが特徴の動物ですが、単に毛のふわふわとした質感を描けばよいというものではありません。羊という動物として、作品全体がしっかりとまとまっていることが大切です。
羊は、他の動物と比べても表現が難しい題材ですので、色や線の使い方によって工夫する必要があります。その点、今回の入選作品はいずれもよくまとまっており、それぞれの表現に工夫が感じられました。
大賞
大賞作品については、さすがだと感じさせる完成度の高い作品でした。
羊はどうしてもシンプルな表現になりやすい題材ですが、この作品では線に独自のアレンジを加えることで、単調にならない工夫がされています。また、線の表現と作品全体のバランスがよく取れており、羊を描いた作品として非常によく仕上がっています。
一見するとアレンジの難しい平凡な印象になりやすい羊を、見る人を飽きさせない作品へと仕上げており、大賞にふさわしい作品だと思います。
金賞(小出 蒐賞)
最初に作品を見たときから「すごい作品だ」と感じ、第一印象が非常に強く残りました。
多くの色を使用していますが、全体としてしっかりとバランスが取れており、その中から白い羊が浮かび上がって見える点も印象的です。また、タッチにも他の作品にはない新鮮さがあります。
13歳という年齢を考えると、非常に大人びた表現で描かれており、色彩感覚や構成力の高さを感じました。
J:COM賞
太陽が大きく描かれているところから、作者の心の豊かさを感じました。
真っ赤な太陽を大胆に配置することによって、白い羊がより一層浮かび上がって見えます。全体として非常によくできた作品であり、実際に絵馬として形になるのが楽しみです。
総評
今後は、手描きならではの良さを、もう少し作品の中に生かしていただければと思います。
デジタルによる表現が広がっている時代だからこそ、手で描くことによって生まれる温かみや味わいにも、ぜひ目を向けていただきたいです。
また、審査をするうえでは「構図」も重要なポイントです。平面的な構図だけでは、小さな絵馬という限られた世界の中で、作品としての広がりを持たせることが難しくなります。
応募作品全体の絵のレベルは年々高くなっており、タッチについても一定以上の水準に達していると感じます。これからは、構図の工夫や、作品の中に物語性を持たせることにも目を向けていただければ、さらに魅力的な作品になると思います。
来年のテーマ「猿と太陽」に向けて
猿は羊と比べると描きやすく、さまざまなアレンジもしやすい動物だと思います。また、昔話や物語にもたびたび登場し、私たち人間にとって身近な友達のようにも感じられる存在です。
そのため、単に猿を描くだけではなく、猿という存在を通して、人間への何らかのメッセージを表現していただければと思います。
猿は、ほかの干支の動物とはまた違った個性を持っています。猿ならではのエネルギーや持ち味を十分に生かした作品を期待しています。
ジェイコム東京 西東京局
中山 純也 局長
J:COM賞
子どもならではの豊かな想像力が、多彩な線の表現の中にのびのびと表れている作品だと感じました。
多くの色を使いながらも、生き生きとした印象に仕上がっており、作品全体から元気さが伝わってきます。自由な発想と明るい色彩が印象に残る作品です。
全国から集まった多くの応募作品のなかから選ばれた力作をご覧ください。