宇迦之御魂(うかのみたまの)神をお祀りしています。別名を御饌津神(みけつかみ)といい古くから穀物・食物の神として信仰され、特に稲の霊とされることから「稲が生る」から転じて「稲荷」と呼ばれるようになりました。中世の頃より狐が稲荷神の眷属(けんぞく)であるとされ、各種の商業の発展に伴い豊作のみならず商売繁盛、開運招福、屋敷の守護神など多彩な信仰を集めるようになりました。他に大宮能売命と猿田彦命をお祀りしております。大宮能売命は伏見稲荷大社をはじめ全国の稲荷神社で宇迦之御魂と併せてお祀りされる神様です。猿田彦命は天孫降臨の際、道案内役を務めた神様であり良縁を導いてくださいます。猿田彦命を稲荷社に祀る例は珍しいですが、大宮能売命は猿田彦命の妻神である天鈿女命と同一視されることもあり、そのために夫婦神として祀られるようになったとも考えられます。田無神社の野分初稲荷神社の歴史は古く、室町時代より長きに渡って地元住民に崇敬されてきた古社です。